寛永10年8月7日 伊達政宗書状

初菱喰、夜前より民部太輔殿相越され候ところ、同日に菱喰打ち候事、兼ねて念を入らせ候験と、奇特に別して満足申し候。二つともに江戸へ進上申し候。定めて一つは金宙へ御進上なさるべく候。一つは御城に於いて御料理になり申すべきと、ひとしお満足せしめ候。今日白石へ参る事に候。万事後音を期し候。恐々謹言。

(寛永10年)8月7日  政宗  花押

伊達安房守殿

初菱喰をありがとう。昨夜石川民部からも届いたのだが、同じ日に菱喰を打ったとのこと、兼ねて念を入れておられるシルシと奇特に、また特に満足している。二つとも江戸へ進上した。江戸へ届いたなら、きっと一つは禁中に進上なさり、一つは御城の御料理に使われるであろう、とひとしお満足している。今日は白石へゆく予定だ。ではまた。

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