天正18年6月9日 伊達政宗書状

今日9日巳の刻出仕候て、万々仕合せとも能く候こと、是非に及ばず候。関白様直々種々御入魂の義とも、言句を絶し候。とてもかほどまで御懇切候とは、お察しあるべからず候。よって、明日10日に御茶湯あるべきに候。明々後日はその口へ御帰しあるべきに候。奥州54郡も、おおかた調いそうにて候。かたがた御満足、察し入るばかりに候。この状の写、方々へ相越さるべく候、なんとも急ぎの間、早々、恐々謹言。

追啓、なんとも取りまぎれ候間、日記を越し申し候。この通りへ、状の写、お越し候べく候。必ずかならず、またこの状より尚々御懇切のことども候えども、書中には□□れ申さず候。以上

6月9日 午刻  政宗(花押)

五郎殿

参考

小和田哲男「戦国武将の手紙を読む」(中公新書)に採録あり。成実の唱えた小田原参陣反対についても書いてあります。
この本に再録されている前田利家書状も政宗宛。小田原直前の政宗と利家のやりとりです。

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