天正18年9月29日 伊達政宗書状

上洛の義について、同道あるべくの由、無二承り候。始めならぬながら、ひとえにひとえにたのもしく存じ候。併せて何と御分別候ても、ことのほか御造作なるべき事、歴然に候間、御無用に候。藤山の義は、涯分申し調うべく候。御心安かるべく候。なお奥口明隙、昨日28日此方へ入馬せしめ候。事々追って申し承るべく候。また始末候て、田村には小十郎相越し申す事に候。恐々謹言。

9月29日 政宗 花押

五郎殿

てきとう意訳

上洛の義について、同道しようとのこと、確かに承った、いつもながらひとえにたのもしく思っている。しかしながらどのように工面しても、ことのほか大変であろうことは明らかなのだから、同道は御無用だ。二本松の義は精一杯うまく調うにしようと思う。安心してほしい。また、奥口はおちついて、昨日28日にこちらに馬をおさめた。細かいことは追って。また、仰せがあって、田村には小十郎が入ることになった。恐々謹言。

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