天正18年10月6日 伊達政宗書状

わざと飛脚を相越され候、祝着の至りに候。根人あるまじきよし承り候。力もこれなく候。併せて、如何様にも御分別候て、安積辺りの者なりとも尋ね出され、御同心しかるべく候。明日7日、大へ罷り越す事に候条、浅弾も明日か明後日は、大へ必ず必ず打ち越し候間、急々案内者御同心専一に候。忠三郎殿よりの状、参らず候や。尋ね失い申し候間、進じず候。別して替わることこれなく候き。先だって申し述べ候一義までに候き。ただただ会津にては、種々の計策を以て根人をも少々作りだされ候などと申し候。とかく如何様にても、形の如くも存じ候人、御尋ねもっともに候。さりとてはさりとてはさりとてはさりとてはさりとては、この一義にてすむ事に候。かえすがえすがえす、御油断あるまじく候。急の間、早々申し入り候。書中読めかね申すべく候。恐々謹言。

10月6日午刻 政宗 花押

五郎殿

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