そこもと屋敷のこと、堂町の方堀埋め候へば、二間ほども屋敷せまり候。せかくそばに申し越し候尤もには候えども、西より見通し候へば、町の境に垣にてもこれ無く候には、御長屋ばかりに候て、見苦しくこれあるべく候。町の間に堀と垣の候類に、この中申すつくごとく 候、馬屋もあい立てしかるべく候。 堂町の正右衛門屋敷より身の屋敷御家ども作り続き、小路より長屋作も見え申さず候へば、堀埋め候いて、屋敷の堤に長屋をあい立てたく候へども、以来は正右衛門左様に申し候こともこれあるべく候へども、取るにあたり見苦しく候へば落ちに候。なおこのごとく間の馬屋作しかるべく候。謹言
8月4日 成実 花押
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