年未詳2月末日 伊達成実書状

大條兵庫宛伊達成実書状

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伊勢斎助「仙台古名家真蹟書画」に含まれる石版刷の一部。
「仙台古名家真蹟書画」は仙台市博物館に所蔵あり。(以上、情報提供:せいどう様)
「岩手県戦国期文書2」に収載(情報提供:ハル様)

上記掲示板にて、書跡さまより釈文と現代文訳を投稿してくださいました。下に掲載するとともに、厚くお礼申し上げます。なお、転記に伴い、元の投稿を編集しております。(書跡さま、掲示板にも書かせていただきましたが、不都合な点がございましたらご連絡ください。ただちに対応させていただきます)

書跡さまによる釈文・読み下し文、および現代文訳

釈文

其後者、不申承、御床布存候、我等
事御暇被下候間、明日可罷帰由
存候、貴殿貴殿者節供迄御詰候哉
承度存候、然者、山之義相澄(ママ)、満
足存候、兎角御奉行ヲ被御申請、
境被相立可然候、次而御座候間、今朝
周防殿、大学殿を申宣(宜とも、宣とも、寓(よる)とも読めるが)候、于今
御挨拶者不承候、御在郷候者亘理へ
可被御立寄候、万々貴面之砌可得
御意候、恐惶謹言、
二月晦日 伊達安房守 成実(花押)
大條兵庫様 人々御中」

「(返シ書)以上」

※真ん中あたりの「可然」の然の字に二度書きの部分が見られるのと、封式が見られないので、案文か、大條側で取った写しと思います。(書跡さまコメント)

読み下し文

その後は、申し承らず、御ゆかしく存じ候、我等事、御いとま下され候あいだ、明日まかり帰るよしに存じ候、貴殿は節句まで御詰めなされ候や、承りたく存じ候、しかれば、山の儀あい済み、満足に存じ候、とにかく御奉行を御申し請けられ、境あい立てしかるべく存じ候、ついでござ候あいだ、今朝(茂庭)周防殿、(奥山)大学殿を申し「うけ?」候、いまに御挨拶は承らず候、御在郷(亘理郡坂元:大條兵庫宗頼?在所:所カ)そうらはば、亘理(伊達安房成実在所:要害)へ御立ち寄りなされべく候、ばんばん貴面のみぎり御意を得べく候、恐惶謹言

 

現代文訳

「その後は、お会いできず、残念です。私達は、おいとまを頂いたので、明日在所に帰ります。あなた様は3月の節句まで、城詰めなさるのでしょうか?うけたまわりたいものです。さて、(亘理領と坂元領の)山(の境の確定)の件(の按配)、満足しております。とにかく奉行(国老)衆に催促して境界をぜひ確定したいと思っております。今朝、登城するついでがあったので、茂庭・奥山両奉行に(足労を)お願いしましたが、まだこちらには顔を出してくれていません。また、坂元にお戻りになるならば、亘理にお立ち寄りください。詳しい話はその折にいたしたいと存じます」


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