一、 田村において内々色々の申し分候。月斎・刑部申され候は、 「大森には政宗公御在馬なされ、築山には義胤御坐候。とかく双方の衆を入れ申し候ことは、如何に候間、伊達衆・相馬衆ともに、如何様の御用とも入れ申すまじく候」 よし存じ候。如何にこれあり候よし、梅雪・右衛門へ申し理られ、そのほか表立ち候衆へ相談申され候えども、いずれも 「もっとも、しかるべき」 よし申され候て、片倉小十郎へ両人よりも、そのとおり内談申され候について、御飛脚にても遣わされず候。
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