伊達家の家紋として有名な「竹に雀」にはさまざまなデザインバリエーションがあります。ずらっとならべてご紹介。当サイト「竹に雀の意匠」の参考資料としてご覧ください。一部の写真はクリックすると大きい画像が表示されます。
仙台伊達家の紋の変遷についての考察は、高橋あけみ「伊達家の家紋に関する一考察-家紋の覚書と美術資料に見る伊達家の家紋及びその変遷-」(仙台市博物館調査研究報告No.19)、に論文があり、図版もたくさん掲載されています。
このページに掲載している写真については許可を得ておりますが、各施設が今現在も写真撮影許可、掲載許可とは限りませんので、ご注意ください。
また、文中、敬称は省略させていただきました。
なお、家紋の商標登録については、こちらのまとめをご参照ください。
仙台市博物館蔵 紫地羅背板五色乱星陣羽織の竹雀。
図版は伊達泰宗のサイトより引用。(現在は伊達家伯記念會株式会社のサイトとなっています)
http://datemasamune.com/history/family_crest.htm
商標登録第2407814号のもの。(このほかにも商標登録されている竹雀紋があります。権利者もいろんな事業者の方がいらっしゃいます)
写真提供:かずぱん
仙台藩士子孫(瑞巌寺ゆかり)の方宅の仏壇の竹雀。
このように関係者に下賜される例は多い。この場合は伊達姓でなくても家紋として使用される。現在も使い続けている家も少なくない。
内外書籍株式会社 編 群書類従 : 新校. 第十八巻 492Pより引用。
注記に「雀竹葉に触るるばかりの大きさ」とある。左から
「見聞諸家紋」は奥書に天文8年の書写(異本には永正7年の書写との注記あり)とある。播磨屋によると、、『日本史籍論集・下巻(岩橋小弥太博士頌寿祈念会編)』所収の 小泉宜右氏の論文「見聞諸家紋について」で、応仁末年(1468ごろ)から文明二年(1470)までの間に成立したものであろうと推定されているとのこと。
http://www2.harimaya.com/sengoku/syoke/syoke_mon.html
武家系竹雀紋で確認できるもっとも古いもの。
笹輪の内側に5枚×5=25枚の葉。
竹雀紋は藤原氏勧修寺流の紋として始まった。上杉氏は勧修寺流の支流である。公家紋としての竹雀紋は、竹輪に三羽の雀を特徴とする。
左から
K's工房日誌~ブラスト職人を目指して~ より引用。
http://blogs.yahoo.co.jp/k_2cozy/23222280.html
上杉謙信当時のものという。
雀が飛んでいない!
「特別展図録 武将の装い」仙台市博物館 1991 より引用。
浅葱綾地竹雀文縫胴服。上杉謙信所用。
笹輪の内側に3枚×3=9枚の葉。雀が笹輪から飛び出す。
佐藤誠孝 鎧甲冑製作所による復元。
甲冑に使われる竹雀としては一番古く天正期まで遡るとのこと。
笹輪の内側に3枚×3=9枚の葉。
最上義光歴史館より引用
http://staff.mogamiyoshiaki.jp/note?p=log&lid=46388
最上家の竹雀は伊達輝宗と保春院の婚姻の際、伊達家から贈られたものという(Wikipedeia情報。ソース未確認)。
笹輪の内側に3枚×3=9枚の葉。
大阪城博物館展示パネルより武水しぎの作成。
この大坂夏の陣図屏風は黒田長政が描かせたもの。伊達隊の先頭に片倉重綱の釣鐘の旗、続く伊達勢の数幟にこの竹雀紋が描かれる。
笹輪の内側に3枚×2=6枚の葉。
写真提供:やまびこ
瑞巌寺の伊達政宗木像。政宗の正室・陽徳院愛姫が夫の生前の姿を映して作らせたもの。政宗は自分の目を両方とも晴眼で描くよう遺言したが、この像は政宗の眇目を忠実に表現している。
草摺に竹雀紋と三引紋が見える。
笹輪の内側に3枚×3=9枚の葉
伊達宗弘・千葉真弓による製図。
伊達宗倫廟に、宗倫の妻と母が奉納した燈籠の扉にあるもの。伊達宗倫は登米伊達家4代。1670年没。廟所は1671年建立。
笹輪の内側に5枚×3=16枚の葉。葉に枝がついているのも目を引く。
千葉真弓による想像復元図。瑞巌寺蔵伊達政宗木像の
草摺に見られる竹輪に、伊達宗倫廟所の雀を合わせてみたもの。
考察については、河北新報かほピョン子ども新聞「独眼竜政宗」楽屋「番外 政宗の竹二雀とは」を参照。
展覧会図録「伊達氏と上杉氏」 米沢市上杉博物館 2016 より引用。
金梨子地龍他竹雀紋蒔絵刀筒の竹雀。17世紀。
笹輪に節があり、笹の葉の根元に節、一ヶ所の節から5枚の葉が出る形態が古様とされるとのこと。
仙台市博物館調査研究報告No.19収載の図版により武水しぎの作成。葉は外30内18。
越後上杉氏家紋 播磨屋より引用
http://www2.harimaya.com/sengoku/html/e_uesugi.html
現在もっとも普通に使用される、米沢藩上杉氏の紋。
家紋HIDAKA FAMILY CRESTより引用
http://www.asgy.co.jp/plant/take.html
白河氏家紋 播磨屋より引用
http://www2.harimaya.com/sengoku/html/siraka_k.html
三羽の雀が目を引く。通常三羽は公家紋だが…。
写真提供:やまびこ
写真提供:野崎準
東福寺正覚庵は、奥州伊達家4代伊達政依の開基。
柳生氏家紋 播磨屋より引用
http://www2.harimaya.com/sengoku/bukemon/bk_yagyu.htm吾亦紅のデザインが、結果的に笹の葉によく似たため、柳生笹とも呼ばれる。